フォルクスワーゲン VW Sirocco試乗

先月2009年5月25日に発売開始されたフォルクスワーゲン VW Sirocco(シロッコ)を試乗してきました。
70年代のシロッコが復活ということですが、僕は当時のシロッコの位置づけがピンとこない世代なので、どちらかというと、90年代のコラードの様なスポーティーハッチバックが復活したなぁといった印象で受け止めていました。基本的にコンパクトなスポーツクーペが好きなので、気にならないハズがありません。

ということで、本日Volkswagen 豊玉さんにお邪魔してきました。


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Volkswagen豊玉さんは、先月店舗を移転されたばかりだそうで、天井も高くモダンで居心地の良い空間になっています。

お目当てのシロッコは、ショールームと一体となったガラス張りのガレージに格納されています。スポーツモデルの演出としては最高ですね。モデルは1.4Litter TSIのホワイト。

ディーラーの方にお願いしてガラスを開けていただきご対面!

標準の17インチタイヤにはPotenza RE050。こういったクルマにこのタイヤはベストマッチですね。

リアがボリューミーに膨らんだスタイリングは、イタリア車のエレガンスとは異なるエモーショナルさを感じさせてくれます。リアタイヤに延びるボディーラインは写真で見るより有機的です。

フェイスも攻撃的な厳つさとインテリジェンスが両立した感じで、Golf GTIの「やんちゃさ」とは異なる顔立ちです。

荷室はまぁコレだけあれば十分でしょう。ゴルフバックなどを入れるとなると、リアシートを倒さないと厳しいかもといった感じです。

シロッコに乗り込むと、Golf GTIと比べて着座位置が低いのに気が付きます。内装は最低限のボタン類が配置されていてシンプルにまとめあげられている印象を受けました。ステアリングは太くグリップ感も良好。デザインもスポーティーです。

1.4Litterモデルのシートは、アルカンタラのセミバケット。リアのシートもバケット調になっていて、ヘッドレストもクールなデザインです。2Litterモデルは革シートになるそうです。

早速試乗開始。走り出すと引き締まった脚を感じさせる、ゴツゴツ感が伝わってきます。混み合った都内の道なので、足廻りの実力は分かりませんが、ワインディングではさぞかし楽しい動きをしてくれそうな予感がします。

シロッコに乗って、最初に感じたのが、適度なエグゾーストノートが室内にまで入ってくること。ドイツ車というと、しっかりと作り込み過ぎて、こういった感覚的な部分をスポイルしてしまう印象だったのですが、このシロッコは違います。しっかりと心地よいエンジン音が室内に響いてきます。

信号待ちで7速のDSGをMTモードに切り替えます。信号が青に変わり1速で4,500〜5,000回転辺りまで引っぱり、2速にシフトアップ。1.4Litterとは思えないほど力強く加速していきます。1.4Litterでも十分速いと思わせてくれるということは、2Litterはもっとパワフルなんでしょうね。
マニュアル車乗りにとってDSGは何とも言えない存在ですが、このシロッコに関していえば、今まで試乗させていただいたDSG系のクルマ(Golf GTI、TT coupe、A3)と比べてマニュアル感が強かった印象を受けました。機構が大きく異なるものではないので、トルク感、サウンドなど含めたトータルなフィーリングの問題なのかもしれませんが。

ATモードのDSGの反応も滑らかで、2速から3速に変わる時など、シフトアップされたことが分からない程スムーズです。比較的混んだ道でもいつの間にか6速に入っており、1,000rpm辺りでしっかりトルクを感じながら走っています。TSIの技術恐るべし!

クルマを降りると、今回のシロッコのキーカラーでもあるグリーン(2Litter)を見せていただけるとのことでしたので、ピット上のガレージに案内していただきました。

やっぱりこの色素敵です。

19インチホイールは、まるでタービンの様なデザイン。


ディーラーの方が「今度は是非2Litterモデルを試乗してください」とのことでした。明らかにパワーの差を感じるそうです。1.4Litter TSIモデルが¥3,920,000、2Litter TSIが¥4,470,000。パワーは1.4が160ps/24.5kgm、2.0が200ps/28.6kgm。う〜ん。もし本気で買うとしたら結構悩みますね!


店内でカタログを見させていただいていたら、Golf V GTIのピレリモデルの実車が展示してあることを発見。

ただのメーカータイアップバージョンかと思っていましたが、このGTI、ROMチューンではなくて、ピストン、コンロッドなどを強化したメカチューンマシンだそうです。ノーマルのGTIが200psなのに対して230psと30馬力もアップしているとか。


内装もピレリのタイヤ痕のようなデザインに黄色いステッチ。ボディカラー イエローは既に完売しているそうで、残りはブラックのみ。今なら80万くらい値引かれるとか。なかなかイイかも!


ということで、Golf V GTIピレリバージョンに気を取られつつも、シロッコの印象をまとめると、スタイリング+ドライビングフィールともに良かったです。DSG/ツインチャージャーテクノロジーで高燃費を維持しながらも、クルマのスポーティーさは失われず、ダイレクトに動きを感じることができたような気がします。スタイリングからイメージされるスポーティーさは、そのままドライビングフィールにも伝わってくる良いクルマでした。


Volkswagen豊玉さん、有り難うございました。
http://www.vw-tokyo.com/toyotama/


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