アースダイバー片手に東京散歩

中沢新一氏の「アースダイバー」という本を読み始め、東京を徒歩で散歩してみたくなった。

アースダイバー


今日は天気が良かったので、永田町から六本木方面へ進み青山に抜けるコースを散歩することにした。

まずは、地下鉄永田町駅を出て自民党脇を曲がり日枝神社でお参り。その後赤坂のコリアン街を抜けアークヒルズ、城山トラストへ。早くも桜が一分咲き。


神谷町方面に出て、今回一番行きたかった、麻布我善坊町へ。ここはアークヒルズから外苑東通りの間の谷間に形成された、雑多な感じのする下町風情のある小さな民家が立ち並ぶ路地なのだが、どの家も空家になっていて「森ビル管理」のプレートが貼ってある。本書によると、既に3/4の土地が買収されており、六本木ヒルズに続く大規模再開発が進むらしい。中沢氏はこの再開発について「都市部は高台と谷間がリズミカルに交替していくことによって、都市空間が均質になってしまうのを防いでいた。その谷間がビルになってしまうことによって、東京はその重要な魅力を失いはじめている。」としている。
普段は車で移動することが多いのだが、今日実際に徒歩で歩くことによって、今までは街から街へ『点』の移動をしていていたことに気がついた。ハレの舞台である街と街の間には泥臭い人間の営みがあり、そういった『間』がその土地が持つ質であったり、魅力を引き出していることを感じた。再開発がそのものは、そのエリアが潜在的に持っていた魅力を顕在化させることもあると思うので決して悪いことではないと思うが、人の営みが消え、土地が持っていた記憶をズタズタにしてしまうことには一抹の不安を感じてしまう。路地にいた野良猫たちが、これからどうなるのだろうという不安そうな顔つきに見えてしまった。


そんな少し寂しい気分になりながら、飯倉交差点に向かい休憩。遅いお昼を食す。(お蕎麦)
外苑東通りを東京タワー方面に進み小道を右折。道を少し進むと、ここが麻布なのか?と思うほど意外な光景があった。崖がむき出しになっていたり、駐車場は未舗装で砂利がしいてあったり。なにより子供たちが細い路地を駆け回っている姿は一等地のイメージとはほど遠い。小道の先にある坂の名前が「鼠坂」、町名が「麻布狸穴町」。鳥獣戯画をイメージしてしまうようなネーミング。素敵!
その鼠坂を下ると一ノ橋交差点にでる。そのままおなじみ麻布十番へ。麻布十番のメインストリートから少し脇に入った公園で一休みしていたのだが、ここでもどこから沸いてきたのかと思うほど子供が多い。最近うちの近所でも道路や公園で遊ぶ子供の姿があまり見られなくなったと思っていたので意外だった。


麻布十番を抜け、テレ朝通りに上がり、西麻布方面へ。いや〜東京は本当に坂が多い。
次は六本木、麻布と青山を隔てる空間、青山墓地へ。六本木や麻布の持つちょっぴり雑多な街の雰囲気は、この青山墓地を境に変容し、ソフィスティケートされる感じがする。コムデギャルソンで働くお友達とおしゃべりして、今日の最終目的地の西麻布交差点へ戻る。


今日のお昼に日枝神社でお友達夫妻から電話があり「今日夕飯一緒に食べない?」とお誘いがあり、麻布の香港ガーデン裏手にあるレ・ヴィノムという炭火焼フレンチに行くことに。このお店は素材を生かした焼き物中心の料理と美味しいワインが豊富にある。(僕はお酒飲めないが・・・)入間豚、和牛、フォアグラなどの肉も美味しかったが、舞茸や筍もすっごく美味しかった。シメはなぜかメニューにあるソウメンとカレー!


いっぱい歩いて、美味しいもの食べれて充実した一日だった。
次は銀座あたりからスタートしてみようかな。



■今日通ったルート(一部写真つき):
PM2:00 永田町(写真)⇒日枝神社写真)⇒赤坂一ツ木通りアークヒルズ⇒城山トラストコート(写真)⇒神谷町(国道1号)⇒麻布我善坊町写真)⇒飯倉交差点⇒鼠坂写真)(狸穴)⇒PM4:00 一ノ橋⇒麻布十番⇒テレ朝通り⇒六本木通り(左折)⇒西麻布交差点手前右折⇒青山墓地写真)⇒青山(カルティエ・ギャルソン)⇒根津美術館⇒PM6:15西麻布交差点(写真)(ホブソンズ)⇒香港ガーデン裏手にあるレ・ヴィノム(夕食)


麻布我善坊町について
 http://azabusaiken.ttcbn.net/machi/gazenbo.html


■レ・ヴィノム
 http://www.corri-corri.com/vinum.html