CITROEN シトロエン C5 試乗

今週末はウィークデイの疲れが溜まり動き回る気がおきませんでした。夕飯を連れの実家でいただくことになっていたので、お昼間に髪を切りにいったあと時間が空いたので、今月からデリバリーが始まったNEW シトロエン C5を試乗してきました。お伺いしたのはR246沿いの「シトロエン宮前」さん。

NEW C5の試乗車は上級グレードのV6 Exclusive(3Litter)のシルバー(グリアルミニウムかな)。C4にも乗ってみたかったのですが、残念ながら試乗車がありませんでした。シトロエンに乗るのは、以前知り合いから借りて乗り回していた、BX、XANTIA(エグザンティア)以来です。

C5初代がデビューした時は「これがシトロエン・デザインなのか?」と疑問に思う程「良くわからない=ターゲットが不明瞭」な印象がありました。シトロエンというメーカーは、ハイドロという独創的なテクノロジーと、それを体現するフューチャリスティックなデザインで、コアなファンに支えられてきましたが、いかんせんパイが少ない。このマーケット内で商売を行うのはしんどいのでしょう。初代C5は新たな顧客を取り込みたい思惑と既存顧客への配慮の狭間で揺れて、中途半端なスタイリングに陥ってしまったのかもしれません。個人的には「シトロエン迷いの時代」なのではないかと思っています。

今回モデルチェンジしたC5は明らかにドイツ車Dセグメントユーザに訴求するスタイリングに仕上がっていて、シトロエン・コアファン向けではない印象を受けました。外見からは、DSから始まりXMに至までの「先進性」はほとんど感じられません。おそらくそういったイメージはフラッグシップであるC6が受け継いでいるのでしょう。



フロントフェイスはC4からの流れで少しイカつい感じです。最近のプジョー・デザインにも通じますね。一番ドイツ車っぽい印象を受けたのはリアビュー。BMW3、AudiA3と見間違う感じで、シトロエン・テイストは感じられませんでした。今回のモデルチェンジでトランクとリアスクリーンが分離し、完全なセダンとなりました。これでセダンライクなハッチバックスタイルの伝統は途絶えました。この辺もポリシーを曲げて「普通のクルマ」を目指している印象を受けてしまいます。しかしながら、よくよく車体を見回すと、リアグラスが凹面に湾曲していたり、リア側のサイドウィンドウのスタイリングにはオリジナリティがあります。

室内に乗り込むと、ステアリングの中心部にはオーディオコントロールやクルーズコントロールのボタンが配置されており、ある意味初期のBX的なテイストが残っていました。このステアリングはセンターフィックスとなっており、ステアリングを回転させても同期しない固定式となっています。こういったギミック的な要素は「らしさ」を感じます。メーターもボビンメータの様な斬新さはないものの、レトロフューチャーな印象を受けました。


乗り込んで一番印象的だったのは、ヘッドクリアランスが高いこと。シートの座り心地も良く居住性はばっちり。さすがフランス車です。シフトゲージをドライブに入れてアクセルを踏むと自動でパーキングブレーキが落ちます。早速お店をでてR246に入ろうとステアリングを回したら、軽い。ハイドラクティブIIIプラスの油圧サスペンションフィールと相まって最高の乗り心地です。昔より固くなったとは言え、相変わらず気持ちよい!長距離のドライブには最高の車種でしょうね。強めにブレーキを踏んでもフロントダイブはさほどせず、コーナーリングもロールが少なく、独特の感じです。ただ、昔のようなメカニカルチックなハイドロではなく、電子制御された「賢い」ハイドロになっている印象を受けました。エンジンフィールは、ダイナミックさはないものの、スムーズに加速していく感じです。ハイドロの乗り心地とマッチしているエンジンだと思いました。


5,6年ぶりに乗ったシトロエンは、スタイリングは好みのわかれるところでしょうが、乗り心地や細部のディテールにはシトロエンの血統を感じます。古くからのお客さんはC6のテイストを望むのでしょうが、C5には新たなる顧客を取り込み、血統を守ろうとする意気込みを感じました。事実、シトロエンに興味はあったけど、オリジナリティが強過ぎることや故障を気にして、ドイツ車を購入していたお客さんが興味を示しているとのこと。良いことです!だって、高速道路を法廷+α程度でのんびり走っているメルセデスBMWにオーナーって、トルクが太く、良く回るエンジンなんていらないだろうし、むしろ「これが上質なんだ」と思い込んで乗っているのだと思います。でも、僕が感じる「上質」は、むしろ、シトロエンのシート、乗り心地に宿っていると思うのです。そういったお客さんがシトロエンに興味を持ってもらえると、日本のクルマ社会も面白くなると思うんですけどね。僕もまた乗りたくなりました。


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